私たちの結婚は早すぎた

ただ、私たちの結婚は早すぎた。・・・いや、正確には結婚したのは私たちではなかったのだ。

バブル経済という大きなうねりの中で、物の価値も、自分の価値も、世の中の何たるかも分からないまま形だけ大人になった者同士が結婚したのだった。
 世の中がバブルだったから結婚した。 
 そして、バブルが崩壊したから離婚した。
 それだけのことだが、実に有意義な4年間だったと思う。
 特に離婚を決意してからの私たちは、お互いにお互いの夢の実現の為、それぞれのやるべき事を理解し、家事も育児も上手に分担していた。
 しっかりと思いやりを持ってお互いに接していた。
 それもこれも、娘がいてくれたおかげだった。
 恐らく、娘がいなければもっと早く離婚していただろう。
 しかし、その離婚は間違いなく、二人の赤の他人をいがみ合せただけの離婚で、その後の繋がりなどは何も無い。逆に金銭的にもっとこじれていたかもしれない。
 娘がいてくれたから、私たちはただの赤の他人としてではなく、子供の親として離婚することが出来たのだ。